まさに「エゴバッグ」と呼んだ方がしっくり来るのがエコバッグである。もちろん使いたい人は使うべきだし、エコを目的としないならば使い勝手は良いだろう。でも、環境保全には役に立たないよ、あれ。
昨今の「環境保全活動」というものにはヘドが出るおもいだが、何故そうなのか?ということには言及していなかったので、ちょっと説明しておきたい。
何がエコなのか?
そもそも「エコバッグ」はエコではない
「エコバッグがエコじゃない」なんてことは、多分多くの人がご存じだと思う。でも、欺されている人もいるんじゃないかな?僕は少なくともあれを「エコ」だとは認められない。
何故、「エコ」なのか?といえば、大抵の人はこう答えるはずだ。「繰り返し使えるから」と。
だけど、本当に繰り返し使っているのだろうか?
例えば、英国の報告書によれば、コットンバッグを使った場合は、131回使わないと環境負荷はレジ袋より大きいとされている。

日本のLAC学会が出した報告によれば、50回以上使って下さい、という事になっている。
もちろん、製品によってこの結果は異なるから、目安にしかならないワケなんだけど、これらの研究では、「線剤を使って洗って乾かす」プロセスや、選択によって発生するマイクロプラスチックの事などは考慮されていない。
家に、「使っていないエコバッグ」は沢山転がっていないかい?また、直ぐ破れて捨ててしまったエコバッグは存在しないだろうか?
レジ袋の使い回しの方がエコ
そうなってくると、少し丈夫なレジ袋を買って、ソレを数回使い回した方がエコじゃないか?という発想が自然に出てくる。

こちらの記事の筆者はそのような指摘をしていて、確かに、レジ袋は1回で破れて使い物になら無くなるワケでは無いので、使い回すことは可能だと思う。
それに、よく考えて見て欲しいのだが、レジ袋は1回使った後にどのような使われ方をしていた?我が家ではゴミ箱の内側にいれる袋として第2の使い道に回されていた。
今はどうしているかというと、ゴミ箱用の袋を購入している。
本末転倒である。
人によっては有料化によって「レジ袋を使わなくなることこそがエコ」などという人もいるが、トータルで本当にビニール袋の使用量が減っているのかは、僕は疑問だ。
コスパの話
みんなの心にはこちらの方が響くかな。
実は、コンビニなどで3円とか5円で売られているレジ袋だが、100枚で500円以下の値段設定になっているものも少なく無い。1枚2円以下のものもある。
大量に買うと更に易くなることから、コンビニなどで買うと高くなりがちなのは分かって頂けると思う。ただ、そもそもレジ袋を持っていくという発想が良くない。だって、コンビニ程度ならば手ぶらで行きたいからね。
そして、食品などを買う場合であれば、レジカゴの使用をお勧めしたい。便利だよ。
何故ならば、最近は店のレジカゴの中に入れるタイプの袋は詰めるのを断られるケースが多くなっているのだけれど、レジカゴならほぼ断られないし、そのまま持って帰れば良いのだ。
繰り返し使える点でも優秀である。
海洋汚染の話とは無関係
コスタリカのカメ
さて、こういった話をすると、コスタリカ沖で救出されたカメの話を持ち出す方がいる。
有名になったこのカメの話だが、この話、不思議には感じないだろうか?
何が不思議かというと、テキサスA&M大学の海洋生物学調査チームが救出したこのカメ、南米のコスタリカ沖で発見され、鼻にプラスチックストローが刺さっていたというのである。
だけど、海にプラスチックストローを投げ捨てるヤツが悪いのであって、家庭やお店でストローを使うなと言う話ではないはずだからだ。いや、使用量を減らせばこうした事故は防げるというかもしれない。
でも、海にストローが漂っていたとして、鼻にストローが刺さったりはしない。海水浴に行って泳いでいたら、鼻にストローが刺さったという人の話を聞いたことがあるだろうか?ないよね。精々、海の家でふざけていたらストローが刺さったという話がある程度だ。ソレもよっぽど間抜けな行動を起こさない限りはそうはならない。
不幸なカメがいたのは事実だし、救出されたのは確かだが、それとプラスチックストローが海に流されたこととは直接関係がないのである。
もちろん、「海にゴミを捨てるな」は道徳として当然の話だとして、ストローを使わない、或いは紙のストローやガラス、金属のストローを使うというのは、目的と手段が混乱している。スタバなど、飲食店の店内でドリンクを飲んだら、ストローだけ持ち帰って海に捨てるようなアホないない。
企業イメージとしての戦略は、勝手にやって頂いて構わないが、そのことは必ずしも正しくはないのである。
海に漂うマイクロプラスチック
ちなみに、マイクロプラスチックの話もまた荒唐無稽だ。
魚類は餌を通してマイクロプラスチックを大量に取り込んでいた 北大調査で判明
2021/02/05 21:14
魚類は海水や淡水に含まれる大量のマイクロプラスチック(MPs)を、直接経口よりも餌を通して多く取り込んでいることが分かった、と北海道大学の調査研究グループが発表した。プラスチックごみによる海洋汚染は世界的な課題で、海洋生物への影響だけでなく魚介類を食べることによる人間の健康被害も懸念されている。食物連鎖を通じた生態系への影響を示す貴重なデータとして注目される。
「マイナビニュース」より
こんなニュースがあって、「ああ、海にマイクロプラスチックを流すのはダメだ」「だから、プラスチックの使用量を減らそう」などという結論になってしまう人は、ちょっと単純すぎるのではないか。
確かに、魚類は餌を通してマイクロプラスチックを体内に取り込む。それはでも当たり前の話。ただ、その魚を人間が食べたからといって、「有害というわけではない」という事実は殆どの人は指摘しない。
プラスチックを体内に入れるのはキモチワルイ、という思いは分かるけれど、でもプラスチック容器やカトラリーを使って食事をしたり、ペットボトルから飲み物を口にしたりはしていないだろうか?おかしやパンをプラスチックフィルムで包んではいない?そうしたところからは、体内にプラスチックが入らないのだろうか?
答えはNoである。
だいたい、プラスチック製のゴミの排出量が減ったからといって、海洋のマイクロプラスチックは減らない。

残念な事に、洗濯や車の通勤などの影響の方が大きいのである。

僕たちは、何のためにプラスチックの使用量を減らすのだろうか?
海洋不法投棄
さて、では海に漂うプラスチックは減らさなくて良いのかと言えば、そんなことは無い。だが、何処の国が努力すべきか?というと、これは実は明白なのだ。
海洋ごみ排出ワースト1位は中国,2位はインドネシア
2019/12/04
これが世界中で年間に(2010年の時点で)生み出されたプラスチックごみの重さです.
そのうち480万から1270万トン(中間値は800万トン)が海に入りこみ,海洋ごみになったと推定されています。
「プラなし生活」より
どれくらい出しているんだろうねぇ?

実は、海洋に漂うプラスチックの出身国は実に1/4がChinaなのだ。そう、支那。中華人民共和国である。
2010年のデータで、年間推定882万トンのゴミを沿岸部から海に流している。
1位 中国(882万トン) 2位 インドネシア(322万トン) 3位 フィリピン(188万トン) 4位 ベトナム(183万トン) 5位 スリランカ(159万トン) 6位 タイ(103万トン) 7位 エジプト(97万トン) 8位 マレーシア(94万トン) 9位 ナイジェリア(85万トン) 10位 バングラデッシュ(79万トン) ~~略~~ 20位 アメリカ合衆国(28万トン) 2010年における推定.
いやー、酷いですね。最近のデータは無いのだが、色々な情報を分析すると、更に悪化している可能性が高いと思われる。
日本人がどれだけ努力したところで、殆ど効果がないことがお分かりだろうか?努力するなとは言わないし、努力することが悪いことであるとも言わないが、無理をする必要があるとはとても思えない。
ソレが現状なのである。
イメージ先行型のエコ
そんな訳で、エコバッグを使うのではなくて、「レジ袋を買え!」などと書いたわけだ。
もちろん、エコバッグを使ってはいけないなどという狭量な事を言うつもりはない。
でも、「自分は環境に優しい生活をしている」というのはカンチガイだし、無理をする必要性は無いのである。便利な生活の全てが悪いという事ではないし、カンチガイしたエコを追い求めるのも違う。況してや、他人にソレを押し付けてはいけないのである。
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