アメリカと支那との貿易戦争が激しさを増す中、その槍玉にあがっているファーウェイはついにGoogleのエコシステムから抜け出すことを決めたようだ。
え?エコシステムって何?という方も多いと思うし、僕も普段は殆ど使わない言葉だが、要はGoogleと袂を分かつという話で、具体的にはGoogle Playからの離脱を意味する。
ファーウェイ売れ筋4万円スマホも「グーグル非搭載」に
2020年06月08日 09時00分更新
6月2日、ファーウェイ・ジャパンはスマートフォンやタブレット、PCなどの新製品を一挙発表しました。政府による緊急事態宣言の解除を受け、安全に配慮した形で製品の体験会も開かれました。
ただし、今回からミッドレンジスマホやタブレットについてもグーグルのモバイルサービス(GMS)が非搭載になったことで、苦しい展開が予想されます。
「ASCII」より
ファーウェイのタブレットを使っている身としては、「まあ、仕方が無い」と割り切れる話でも無いのだが、ファーウェイの戦略としては仕方が無いだろう。
Google PlayはGoogle Moble Systemの戦略の要
AmazonのFireタブレットの苦戦
GMSの利用ができないことで有名なのがAmazonのFireタブレット。
コスパは非常に良いのだけれど、Google Playが使えないという一点だけで忌避されがちなタブレットである。そもそもAmazonのアプリストアでアプリが供給される体制(品揃えは悪い)であり、公式にはGoogle Playを使えないという割り切りっぷりである。
もちろん、「使う方法はある」のだが、まあそれはさておこう。あくまでも、公式では使えないと言うことなのだ。そうなってくるとやっぱり「使う人を選ぶ」端末と言わざるを得ない。
ファーウェイもGoogleより手を引かざるを得ない
色々理由はあるのだが、ファーウェイがファーウェイの責任で大手を振ってアメリカで商売ができなくなり、Googleから手を引かざるを得なくなった。
ついでに言及しておくと、Androidからの離脱も懸念されているため、とにかく買うときには注意されたい。
これに続く新モデル「HUAWEI P40 lite 5G」は、HUAWEI P liteシリーズとして初めて5Gに対応。ハイエンドが先行してきた国内5Gスマホですが、税別3万9800円という手頃な価格帯に投入してきました。
ただ、気になるのはエリアが限られる5Gよりも、ほとんどの人に影響するアプリ対応でしょう。この世代からグーグルのモバイルサービス(GMS)は非搭載になり、Google Playストアからアプリが入手できなくなりました。
「ASCII」より
今回発売されるスマホもかなり意欲的な値段設定と、性能なのだけれど、Google Playからアプリが手に入れられないのは痛い。

デザインは実に「らしい」のだけれどね。
5Gスマホが4万円で買えてしまうというのは驚きなのだけれど、Google Playはインストールできず、ではどこからアプリを手に入れるかというと、ファーウェイモバイルサービス(HMS)からだという。ミッドレンジのスマホを出して様子をうかがうということらしいのだけれど、性能としては一世代前のハイエンドよりも良さそうだ。
タブレットも非GMS
さて、ある意味スマホよりも深刻なのがタブレットだろう。
正直、タブレットでGoogle Playの利用ができないのは悲惨の一言である。いや、多分性能自体はそれなりなんだと思うけれど。

色々な機能を意欲的に盛り込んではいるようだけれど、アップルストアのような存在にまでHMSを育てることができれば、それなりに問題の解消は期待できる。
いまのところ「GMS非搭載」はマイナスイメージが強いものの、HMSに対応したアプリがファーウェイのアプリストア「HUAWEI AppGallery」に増えていけば、使い勝手は良くなるはずです。
「ASCII」より
ただ、そもそもHMSが順調に育つかどうかは未知数である。ただでさえ劣勢なファーウェイが、今後どう巻き返していけるか?という点にも不安は残る。
金にモノを言わせて開発を急ぐ
本当に不安は無いの?という点ではあるが、「月間アクティブユーザー4億人」という数字を出している。
ファーウェイのアプリ提供サービス、HMSとAppGalleryの状況は
2020年6月2日 14:38
ファーウェイは、P40 Pro 5Gなどの新製品発表会を実施。その中で、他社のAndroidスマートフォンとは異なる新たなアプリ提供の方法として「HMS(Huawei Mobile Services、ファーウェイモバイルサービス)」とアプリストア「AppGallery(アップギャラリー)」の状況を紹介した。
ファーウェイのスマートフォンやタブレットでは、グーグルのサービスを使用せずに、同社独自でアプリを提供している。同社ではグーグルが提供している「GMS(Google Mobile Service)」に代わり、「HMS(Huawei Mobile Services、ファーウェイモバイルサービス)」を提供する。ファーウェイ・ジャパン 吉松 一彦氏によると、170カ国以上でサービス展開しており、月間アクティブユーザーは4億人をこえ、140万人以上がアプリ開発者として登録しているという。
~~略~~
また、アプリ開発者を支援するために「Shining Star Program」を用意する。10億ドルの開発者支援や開発者向けのワンストップサービスプラットフォーム「AppGallery Connect」の提供などを行っており、同社ではアプリ開発者と共にAppGalleryを充実させていきたいとしている。
「ケータイWatch」より
一見すると安心そうに思えるが、支那の人口は14億人いることになっていて、統計上に乗ってこない人の数も考えると15億人はいるだろうといわれている。
つまりこのユーザーも「そういうこと」である可能性は高い。また、「140万人がアプリ開発者として登録」という数字も何とでもなる気はする。だって、「登録」だぜ。
更に「170カ国以上でサービス展開」というが、スマホを売る市場があればサービス展開という事になるのだから、正解中に販売網を持つファーウェイにとっては何ら不思議のない数字である。
その上で、アプリ開発支援の拡充を図っていくということなので、「これから充実させますよ」という話なのだろう。

一番心配なのは、HMSが開発を急ぐあまり、海のモノとも山のモノとも知れない怪しいアプリを大量に水増しし、そこが特殊詐欺などの犯罪に利用される展開である。
多分、ファーウェイはその手の取締りをやらないだろう。
Googleと決別するにあたって、十分に準備ができた段階での対応であるのなら、問題無かろうがここ1年ほどで急いでプラットフォームを準備した可能性が高く、綻びがあちこちから出てくる懸念はある。そうなった時に投げ出されると、ユーザーとしては困ってしまうのだろうね。
ファーウェイが潰されるか、トランプ氏が落選するか
結局のところ、貿易戦争の影響を受けたといえばそれまでなのだけれど。
ファーウェイに迫る脅威-トランプ政権の規制強化で半導体調達に懸念
2020年6月8日 13:09 JST
中国のテクノロジー台頭をけん制する取り組みに着手して以降、トランプ米政権は通信機器メーカー、華為技術(ファーウェイ)に対して集中砲火を浴びせてきた。先月発表した新たな規制は中国を代表するテクノロジー企業である同社をむしばむ恐れがある。
~~略~~
フォレスター・リサーチのプリンシパルアナリスト、チャーリー・ダイ氏は「ハイシリコンは自主開発や現地勢との協力を通じて代替を見つけるまで技術革新をこれ以上続けることはできないだろう。それには何年かを要する」と指摘。「われわれの推計ではファーウェイの高性能半導体の在庫(同社の上位スマートフォン用ベースバンドチップやCPUを含む)が続くのは12カ月から最大で18カ月だろう」と述べた。
「Bloomberg」より
アメリカ大統領選挙は今年の年末に迫ってきていて、トランプ氏が落選する可能性は高くなってきた。え?何故政治の話?と、思われる方も多いかも知れない。
だけれども、コレはかなり密接な関わりがあると思われる。
つまり、トランプ氏が大統領に再選すれば、ファーウェイ包囲網は更に厳しくなるだろうし、対抗馬と目されるバイデン氏が当選すればこの包囲網が多少緩まるだろうと思われる。
ファウェイの生き死にも、その辺りに影響されるんではないのかなと。つまり、今、ファーウェイ製品を買うメリットは薄い、ということだろうか。
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